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2017.04.16

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.140 「お米の品質管理」

ようやく春本番な今日この頃ですが、いっぽうで気温が段々と上がってくると米穀関係者が気になるのが「お米の品質」についてです。

 

お米は収穫後にすぐに乾燥させているため、数か月程度であれば常温でも極端に品質が悪くなることはありませんが、それでも常温で保管しておくといわゆる「古米化」が進みが顕著です。特に夏場になるほどにその傾向は強くなりますので、低温倉庫は必須です。

 

さてここで問題です。お米の保管と経時に伴うお米の変化について、正しく述べたものを次のア~エから選び記号で答えてください。

 

ア.いわゆる古米臭の主な原因は、お米の中に含まれるたんぱく質が酸化することにより発生する。

イ.常温で保管するとカビが発生する場合があるが、カビのおかげでお米が熟成して美味しくなる場合もある。

ウ.お米は収穫後でも呼吸をしているが、呼吸をすればするほどでんぷんの密度は高くなり美味しくなる。

エ.低温倉庫で保管しておくと米粒の生理的、科学的変遷を抑制するだけでなく、虫の発生も抑えられる。

 

 

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.140  解答】

 

正解はエの「低温倉庫で保管しておくと米粒の生理的、科学的変遷を抑制するだけでなく、虫の発生も抑えられる。」です。

 

アは「たんぱく質」ではなく「脂質」が正しい。脂質が酸化することにより遊離脂肪酸が発生し、これが古米臭の原因になる。イのような微生物がお米の味を良くするという現象は、少なくとも生米の状態では見ることが出来ない。ウは逆である。米が呼吸をすることにより米粒の成分の分解が進むため、結果として食味が落ちます。日本では玄米貯蔵が一般的なので、収穫後、白米の状態になるのは実は一瞬とも言えます。いずれにしてもお米は低温貯蔵のうえ、精米したらすぐに食べる、というのが美味しいお米に出会うコツの一つになるわけです。

 

出題者:小池精米店・三代目、お米マイスター五ツ星の小池理雄

 

>おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.139「新品種のネーミング」

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