2017年、おにぎりに合うお米は「つや姫」など3銘柄

2017.01.05

おにぎり協会が第一回「おにぎり食味会」を開催、選定結果を発表

 

一般社団法人おにぎり協会が、デビューから10年以内の品種から注目の9品種を選定、「おにぎり向きのコメ」かを8つの評価項目で評価する「おにぎり食味会」を実施、評価結果を発表。

通常10年以上の歳月をかけて行われる米の品種改良。昨年も『新之助』(新潟県)、『銀河のしずく』(岩手県)と、米どころから注目の新品種が誕生しました。そこで一般社団法人おにぎり協会(東京都港区、代表理事:中村祐介)では、デビューから10年以内の品種から注目の銘柄9品種を選定。“おにぎり向きのコメか”を判断するため、「食味」「食感」「適度な硬さ」「ねばり」「のどごし」「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の8つの評価項目を設定し、日本初となる有識者による「おにぎり食味会」を開催しました。

 

 

1.食味会実施日
2016年12月4日

 

 

2.参加メンバー
小池理雄(五ツ星お米マイスター 三代目小池精米店)
中村祐介(一般社団法人おにぎり協会代表理事)
清水むすび(一般社団法人おにぎり協会理事)

 

 

3.エントリー銘柄
『ゆめぴりか』(北海道/金賞ゆめぴりか)
『青天の霹靂』(青森県)
『銀河のしずく』(岩手県)
『つや姫』(山形県/鶴岡市井上農場)
『ふくまる』(茨城県)
『新之助』(新潟県)
『みずかがみ』(滋賀県)
『結びの神』(三重県)
『おいでまい』(香川県)

 

 

4.実施方法
すべての銘柄で同一炊飯器(三菱電機 ジャー炊飯器:本炭釜 KAMADO)を使用。研ぎ回数、浸水時間、水分量、炊飯方法(お急ぎモード)等、同一条件で炊飯。調理はすべて、同一人物。いずれも海苔なしの塩にぎり。「炊きたて・にぎりたて」の状態で7項目、「にぎってから4時間後」に「冷めて旨い」を採点。8項目の基準に対し、審査員3名が5点満点(各項目15点満点)で採点。計8項目で120点満点。

 

 

5.おにぎり評価8項目
「食味」・・・甘み、旨味
「食感」・・・粒感
「適度な硬さ」・・・歯ざわり、歯ごたえ
「ねばり」・・・ねばり
「のどごし」・・・のどで感じる心地よさ
※「くちほどけ」・・・上あごと舌など、口内で感じる心地よさ
※「包容力」・・・具材との相性、相性の良い具材の幅
※「冷めて旨い」・・・4時間後の食味全般

 

※特に「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の3項目は、おにぎりに特化した評価項目として重視。

 

 

6.食味会結果
『つや姫』『銀河のしずく』『ゆめぴりか』の上位3銘柄を入賞とする。

 

 

7.個別評価
今回調査で最も評価が高かったのは山形県産『つや姫』(合計97点)で、この品種の特長でもある「粒感」(13点)や、おにぎりで重要な要素とされる「包容力」(14点)「冷めて旨い」(11点)の3要素でトップ評価。その他の要素もすべて全体の2位評価と、全8項目においてバランスのよさが際立ち、トータル97点と極めて高い評価となりました。「甘みの広がりは特筆もの。張りがあって粒の中身の味が分かる。米飯としては非常に食べ応えのある、力のある逸品である」(小池)や「粒感があって、おにぎりとして食べると食べごたえもあり、楽しめる」(中村)と、コメそのものが持つポテンシャルを審査員全員高く評価しました。

 

続いて評価が高かったのは、岩手県産『銀河のしずく』(合計91点)。「食感」(13点)「適度な硬さ」(12点)「のどごし」(13点)の3項目でトップ評価。「くちほどけ」「包容力」「冷めて旨い」の3項目で2位評価が。「口の中でぱらぱらとひと粒ひと粒が離脱する感じ。甘みもしっかりと伝わるのでおにぎりとして非常によい」(小池)と、ごはんの状態よりも、おにぎりにした時に力を発揮する銘柄として選ばれました。

 

次いで3位は、北海道産『ゆめぴりか』(合計87点)。市場でも評価の高い「食味」(13点)、特徴的な「ねばり」(14点)、おにぎりで最も重要な「冷めて旨い」(11点)の3項目でトップ評価。「粘りがあるため包容力がある、冷めてからの甘みを強く感じる」(小池)や「冷めてからも甘みがある」(中村)との声がある一方、「くちほどけしにくい」「個性的な銘柄ゆえ、おにぎりにすると好みが分かれる」といった意見が聞かれました。

 

 

次点は、香川県産『おいでまい』(合計83点)。「食感」(13点)でトップ、「適度な硬さ」(11点)「のどごし」(12点)で2位と、全体的にバランスの良さは高く評価されましたが、「ほどけがやや早く、味が薄いため、ほどけの早さで印象に残らない。粒がしっかりしているだけに非常に惜しい」と、残念ながら入賞を逃しました。

 

茨城県産『ふくまる』は、「粒の存在感が秀逸」(小池)と、「食感」(13点)「くちほどけ」(13点)の2項目でトップ評価でしたが、4時間後の食味(冷めて旨い)の項目で評価を落としました。青森県産『青天の霹靂』は、粒の大きさや包容力を評価されたものの、食味に関しては総じて厳しい評価。新潟県産『新之助』は、具材との相性は良さで評価を得るものの「米どころ新潟の期待品種というには凡庸」との評価。三重県産『結びの神』は、粒の存在感を評価されるも、「味が薄くほどけが早い」とおにぎりとしては厳しめの印象。滋賀県産『みずかがみ』は、ごはんとしての食味の評価は高かったのですが、「くちほどけ」や「冷めて旨い」といったおにぎり特有のポイントで評価を下げました。

 

 

今回食味会に選ばれたお米たち