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2025.08.31

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.549「ザル上げ」

「ザル上げ」という言葉があります。これは炊飯時にお米を浸漬したのち、ザルにあけて水を切る行為を指します。以前は「汚れた水を最後まで落とすため」等の理由で行われていましたが、今ではあまり見かけない工程です。それこそ電気炊飯器を使われているご家庭では炊飯器の釜のなかで洗米をするため、洗米後の水を捨てることはあってもザル上げまで行うことはあまりないと思われます。またザル上げを5分以上行うとお米粒が割れてしまい、炊飯後のごはんがべちゃつくことがあるため、余計に推奨されていないのですが…。

 

 

さてここで問題です。ところがお寿司屋さんではあえてザル上げを行う場合があるのですが、その目的は何でしょうか?当てはまるものを次のア~エから選び、記号で答えて下さい。

 

ア.旨味を増すため

イ.ごはん粒を軟らかめに炊くため

ウ.香りを出すため

エ.粘り気を抑えるため

 

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.549解答】

正解はエの「粘り気を抑えるため」でした。

洗米時や浸漬時にはお米のでんぷんが水に溶けだしています。これをそのままにして炊飯するとべたつくことがあります。お寿司屋さんでは何よりもお米のほぐれ具合を重視しますので、あえてザル上げを行いべたつきを少しでも抑えるように工夫しているのですね。

またザル上げを行うことにより米粒に含まれている水分以外の水を落とすことが出来るため、加水量を正確に計ることができ、それにより炊飯が毎回失敗なく上手にできるというメリットがあります。ただ問題文にありますように、いずれにしても浸漬後の米を乾燥させるとごはんのベチャつきにもつながりますので、ザル上げをする場合は濡れ布巾などで覆って湿度を保ちながら、5分ほどで終わらせます。そうすることで割れ米を防ぐことが出来るのです。一昔前は硬めのお米が多かったためわざと割れ米をつくることによりお米に粘りを出そうする場合もありましたが、いまは粘りのある品種が多いのでその必要性は薄れています。

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