おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.453「炊飯技術」
お米を食べるためには火を通すなどして米粒のでんぷんを軟らかくする必要があります。実は生米のままだとでんぷんの構造が硬すぎて、人間の体では十分に消化できないからです。
そのために日本人はお米と出会ってからこの方、いろいろな調理方法を通じて何とかお米を食べることができるように工夫してきました。そういった工夫の中で生まれたのが「炊き干し法」と呼ばれる調理方法です。現在の炊飯技術ですね。これは複数の調理方法を組み合わせ、お米をよりおいしく食べるために編み出された技術なのですが…。さてここで問題です。この炊飯技術のなかでは見られない調理方法を次のア~エから選び、記号で答えて下さい。
ア.煮る
イ.蒸す
ウ.焼く
エ.炒める
おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.453解答】
正解はエの「炒める」でした。この「炊き干し法」が定着したのが江戸時代になってからで、それまでは煮たり蒸したりして食べていました。「炊き干し法」ではその工程において「煮る」「蒸す」「焼く」を順番に行っており、お米を美味しく仕立てているのです。この流れは水の量が減る順番とも言えます。この技術により、お米はしっかりと水分を含みでんぷんが軟らかく(糊化)され食べやすくなりました。また変に柔らかすぎず食感をある程度残してあるため、口のなかで咀嚼回数が増えます。そのため甘味も十分に堪能できるのです。江戸時代には「湯どり法」という方法もありました。これは沸騰後、しばらくしたらお湯を捨て、その後で蒸すというやり方です。実際にいまでも東南アジアでは取られている方法ですが、この方法だとお米がややパサパサになります。「炊き干し法」は米が水を十分に吸収するまで火を通すので、食感に差が出るのですね。