おにぎりとおむすびの違い
おにぎりとおむすびの違いについて、広辞苑には「おにぎり」「おむすび」「にぎりめし」についてこう書かれている。
おにぎり【御握り】/にぎりめし。おむすび。
おむすび【御結び】/握飯(にぎりめし)のこと。
にぎりめし【握り飯】/握り固めた飯。むすび。おにぎり。
つまり「おにぎり」「おむすび」「にぎりめし」の3つは同じものを指し、単に呼び方が違うだけ、というのが広辞苑の見解である。また、各々の語源についても諸説あり、明確な違いは見いだせない。三角、俵、丸、円盤等の形状の違いによる、呼び名の差異もないと考えてよい。
一方、その呼び方については地域偏差が存在するようだ。通説では東日本では「おにぎり」、西日本では「おむすび」とされることが多い。しかし『近代文化研究叢書3 おにぎりに関する研究』(小田きく子著)の資料によれば、北海道、関東、四国では「おにぎり」「おむすび」が拮抗、近畿は「おにぎり」が優勢、中部と中国は「おむすび」が優勢で、九州・沖縄では「おむすび」は稀で「おにぎり(にぎりめし)」が大多数を占めるとされる。また、千葉県館山市では俵型を「おにぎり」、三角形を「おむすび」と呼び、形によって呼び名を区別している地域もあるそうだ。
「おにぎり」と「おむすび」。人の往来が飛躍的に増えた現代、これら呼び名についての地域偏差は平準化されつつある。現代においては「おにぎりとおむすびの呼び方の違いは、家庭・個人レベルの違いである」というのが、一般社団法人おにぎり協会の見解である。