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2023.07.03

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.443「土中の有害物質」

2014年に開発されたコシヒカリの亜種として「コシヒカリ環1号」というものがあります。これは土中の「ある有害物質」をほとんど吸収しない特性を持っており、一方で外観や味についてはほとんどコシヒカリと変わらないというお米です。最近、この「コシヒカリ環1号」を交配して新しく「あきたこまちR」が開発されました。秋田県において令和7年より従来の「あきたこまち」から全面的に入れ替わることが決まっており、話題になっています。もちろんこの「あきたこまちR」も「ある有害物質」をほとんど吸収しないという特徴があるのですが…。

 

 

さてここで問題です。この「ある有害物質」に当てはまるものを次のア~エから選び、記号で答えて下さい。

ア.窒素

イ.リン酸

ウ.カリウム

エ.カドミウム

 

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.443解答】

正解はエの「カドミウム」です。「コシヒカリ環1号」とは独立行政法人農業環境技術研究所(農環研)が2014年にリリースした、カドミウムをほとんど含まないコシヒカリの突然変異体です。このお米を他の品種と交配させて同じような特徴を持つお米の開発が可能なのですが、その流れで出来たのが「あきたこまちR」です。

食品を通じて一定の量を超えるカドミウムを長年にわたり摂取し続けると、腎機能障害など健康への悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。現在、日本では、ヒトが食品から摂取するカドミウムの量は、一生涯摂取しても健康に悪影響が出ないとされる量よりもさらに少ないものです。ただ一方で、日本ではヒトが食品から摂取するカドミウムのうち、約40%がコメから摂取されると推定されているため、いかにカドミウムを米粒に残さないか、様々な工夫がなされています。その一つが「コシヒカリ環1号」の開発になるのです。なおア~ウは「肥料の3大要素」と呼ばれている養分です。

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