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タレント
石黒 彩
知る
2025.06.18

食べるとなんだか落ち着く。おにぎりは心の拠り所

おばあちゃんが作ってくれたおにぎりの思い出

私にとって「おにぎり」といえば、まず思い浮かぶのはおばあちゃんの手作りの味です。共働きだった両親に代わって、学校から帰ってきた私をいつも迎えてくれたのがおばあちゃんでした。

わが家は友だちがよく集まる家で、10人くらい来るのは日常茶飯事。泊まっていくことも多く、そんなときはおばあちゃんがおにぎりを握って、みんなにふるまってくれたんです。私が上京してからも、友だちと連絡を取り合う時には必ず「そういえばおばあちゃん、元気?」って。みんなの思い出の中でも、おばあちゃんとおにぎりは、いつもセットなんですよね。

今では、あの頃のおばあちゃんのように、私がみんなにおにぎりを握るようになりました。家族のために作るのはもちろん、ゴルフに行くときは一緒に回る仲間の分も。朝ごはんをゴルフ場で食べるのもいいけれど、朝は何かとバタバタするので、移動中に車の中でみんなで食べることが多いんです。

具材ごとに三角や丸い形に分けて、迷わず食べられるよう工夫もしています。中身は、そのときハマっている食材を使うことが多いですね。うちの家族は一度ハマるとしばらく同じものを食べ続けるタイプなので、焼き鮭や海苔の佃煮など、時期によってちょっとしたブームがあるんですよ。

おにぎりは私のエネルギー

「よし、頑張ろう」と思うとき、私は必ずおにぎりを食べます。たとえばライブの前だったり、お仕事で地方に向かう新幹線に乗る前だったり。玄米のおにぎりをふたつ買ってから乗車するのが、自分のルーティンでもあります。おにぎりを食べると、ちゃんと力が湧いてくるんです。私にとって、おにぎりは“エネルギーそのもの”なんだと思います。

心が折れてしまったときもそうでした。家族で長く飼っていたわんちゃんを看取ったあと、あまりのショックで、3日間何も口にできませんでした。水さえ飲めないくらいで。でも、「このままじゃダメだ」って、最初に手に取ったのが、コンビニの赤飯おにぎりでした。

作る元気もなかったけど、「おにぎりなら食べられるかもしれない」と思ってひと口食べたときの気持ちは忘れられません。「食べてちゃんと生きていこう」と、あの時、おにぎりに背中を押された気がします。

お米を「意識して食べよう」と思ったことは正直あまりないんです。子どものころは、おばあちゃんが毎日お弁当を作ってくれていて、そこに当たり前のようにおにぎりが入っていたから。いつの間にか、自分にとって“ご飯が基本”になっていたんですね。大人になった今も、おにぎりを食べるとなんだか落ち着く。やっぱり、私にとって心の拠り所なんだと思います。

雑穀米も大好きで、「雑穀エキスパート」の資格も取りました。白米は炭水化物が中心だけど、雑穀米なら食物繊維やビタミンも一緒にとれるし、それに焼き鮭を入れておにぎりにすれば、タンパク質もバッチリ。子どもたちに食べてもらいたい栄養が、全部つまっているんです。今、わが家では「能登米」にハマっています。いただいた能登米を食べてみたら、粒が大きくて、ほんのり甘くて…感動しましたね。北海道出身の私は、地元のお米を選びがちなんですが、今では家族みんなで「能登米っておいしいね」って言っています。ご飯って、ただの主食じゃないんですよね。私にとっては、元気の源であり、家族との日常にある小さな幸せなんです。

おにぎりの文化が続いていってほしい

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