
おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.505「歩留まり」
「令和の米騒動」もひと段落しました。格段の被害が出たわけではありませんが、消費者の皆さんに多大な不安を抱かせたことは大きな失政と言えるでしょう。今後同じようなことを繰り返さないためにも、今回の事象についての原因究明が待たれます。今わかっていることは「複数要因が重なってお米のひっ迫状況が発生した」ということであり、どれが決定的な原因だったのかは未だ不明なのですが…。
その複数要因の一つに「歩留まりの悪さ」が挙げられています。これは「精米したときにどれだけ目方が減ったか」を示す言葉です。通常、10㎏の玄米を精米すると9㎏になります。ところが昨年のお米は品質が悪く、精米時に粒が割れたりしたため白米の量が想定よりも減ってしまったのです。
さてここで問題です。この歩留まりの悪さにより減ってしまった白米の量(日本全体で見たとき)はおよそどれくらいでしょうか?最も近い数字を次のア~エから選び、記号で答えて下さい。
ア.日本人の1年間の一人当たりの消費量分くらい。
イ.日本全体における需要量の、毎年の減少分くらい。
ウ.栃木県の1年間のお米の生産量分くらい。
エ.日本が外国に輸出しているお米の量くらい。
おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.505解答】
正解はウの「栃木県の1年間のお米の生産量分くらい。」でした。
令和5年産のお米(主食用)の収穫量が661万トンでしたので、これを精米すると通常の年であれば約595万トンの白米になります。ところが令和5年産のお米は歩留まりが悪く、通常であれば10%くらい減るところ、14%くらい減っているのため、約568万トンになっていることが想定されるのです。つまり例年より約27万トン減っていることになります。この数字は栃木県の令和5年のお米の生産量(約28万トン)に近い数字になっているのです。このように考えるとかなり大きな数字であることが分かります。実は歩留まりの悪さの影響は大きかったので。
ア…一人当たりの年間消費量は、だいたい白米で50㎏くらいです。
ウ…令和6年は増えていると想定されますが、それまでは毎年10万トンほど減少していました。
エ…直近で約4万トン程度です。