
時代の流れを受けた小さなイノベーション! 最近、おにぎりの「中身」が変わってきている
米不足の時代。おにぎりに美味しい進化が起こっている、と感じているのはおにぎり協会代表の中村祐介です。みなさんもコンビニのおにぎり、なんだか“前と違う”って思いませんか?
米不足、物価高。なのにおにぎり売り場が面白い
2024年以降、米の価格は上昇傾向にありました。気候変動や農地面積の減少、海外輸出の増加も影響して、「白米」の安定供給は当たり前ではなくなりつつあります。おにぎり協会でも今年のトレンドに「国産おにぎりのプレミア化」を発表していますが、現在はまさにその通りの状況です。
この状況下、コンビニやスーパーの「おにぎり売り場」では、ちょっとした変化が起きています。
もち麦って、何がそんなにいいの?
スーパーや冷凍食品でも見かける「もち麦おにぎり」。実は、これがいまぐっと需要を伸ばしています。
食物繊維が白米の約20倍血糖値の上昇を抑える作用が期待される冷めてもパサつかず、もっちりした食感をキープこうした特長から、はくばく社によると23年のもち麦出荷金額は、21年比135%増で推移、さらに今は増加傾向だとか。
先日、僕はFABEX東京2025で講演をしてきました。「おにぎりと地域連携」ということでたくさんの方に来ていただいたのですが、そのあと展示ブースではくばくさんと話したところ「お米不足もあり需要爆増」とおっしゃっていました(海外では麺としての需要がまだまだ高いようです)。さらに、女性や健康志向層だけでなく、「子どものお弁当にもいい」「冷凍ストックが便利」と、ファン層も広がっています。
コンビニの裏戦略:「混ぜる」ことで価格と満足を両立
実は、コンビニおにぎりの価格帯にも変化が出ています。 原材料費の高騰で、純白米おにぎりのコストが上がっている中、 “混ぜご飯”にすることで価格を抑えつつ、満足感を出す工夫がされているのです。
ローソンの「たっぷり食物繊維が摂れる 枝豆と塩昆布おにぎり(国産もち麦入り)」や、ファミリーマートの「スーパー大麦 海苔バター」などはもちろん、どのコンビニでも混ぜご飯が増えています。最近だとファミマの「海老ピラフおむすび」や、セブンの「天タレまぶしおむすび」などがそれ。
具を混ぜてしまうことで、手間を減らし、味のバリエーションを増やし、コストも抑える。 しかも、栄養バランスも整う。……うまくできてます。
これからのおにぎりは、「混ぜる」時代かもしれない
私たちが「白米と具材」のセットと思っていたおにぎりは、今、新しい“主食のかたち”に進化しつつあります。
・ごはんの半分がもち麦や雑穀
・シャケや枝豆、チーズが混ざっている
・食べごたえがあり、冷凍でも美味しい
こうした工夫は、米不足やコスト高という逆風から生まれたものだけれど、結果的に多様で、おいしくて、カラダにもいい選択肢を増やしてくれました。
ごはんの未来は、おにぎりが握ってる
変化は、いつも小さなところから始まります。そしていま、その変化が、私たちの手のひらサイズのごはんに起きているようです。
参考:中村祐介「最近、おにぎりの「中身」が変わってきている件について」
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