【海苔のはなし】vol.1 海苔の歴史(古代~中世編)
こんにちは、山本海苔店の山本です。
今日は海苔の歴史の中でもとても昔の話をします。
- 海苔(ノリ)の語源とは?
そもそもノリとは「ぬらぬらしたもの」という意味から生まれた言葉で、藻などのようにやわらかい海藻類一般を指したそう。つまり今「ノリ」と言われて想像するような四角く乾いたものではなく、その状態になる前の状態が名前の由来になったようです。
- 海苔っていつからあったの?
海苔は、貝や魚と同じように縄文時代から食べられていたと言われています。遺跡からアラメ、ワカメ、ヒジキ、ホンダワラ等の海藻が発見されています。とはいえ、縄文時代は文字がまだないので、本当に食べられていたのかは不明です。
- 祝・海苔が歴史に初登場!
文字として海苔が初登場したのが、地方の風物を記した『常陸風土記』です。日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が、浜辺一面に干されている海苔を見て感動した、ということが書かれています。ちなみに『常陸風土記』には、おにぎりも登場します。海苔とおにぎり。この頃から縁があったのですね。
- 海苔は超高級品だった!
その後、日本で最初の成文憲法「大宝律令」(701年制定)では、大和朝廷への「調」(現在の税金)の一つで「紫菜」が登場します。これが海苔のことです。約30種類もの海産物が挙げられているのですが、その中でも海苔は高級品とされています。「紫菜」(=海苔)は「凝海藻」(=ところてん)やその他海藻類の2倍以上の価値があったようです。昔も今も海苔は貴重品だったのです。
2月6日「海苔の日」の由来って?
この大宝律令が施行されたのは、制定された翌年の702年の1月1日です。新暦に換算すると2月6日。そこから2月6日を「海苔の日」と定めました。現在は2月6日の「海苔の日」に加えて、2月3日前後の「恵方巻き」イベントが行なわれるようになり、1年の中で一番海苔が注目される時期となりました。2月3日から2月6日前後の1週間を「海苔ウィーク」として、全国各地で海苔PRのイベントが行なわれています。
実はここまでの海苔の話は、今の四角く乾燥したものではなく、流木や岩に天然に生えていたものを採り、乾燥させた「ふえるわかめちゃん」のような外観のものです。ところがこの後、江戸時代に入ると海苔に色々な事件が起こります。次回はその話をしたいと思います。
文:おにぎり応援大使・山本貴大 (山本海苔店 http://www.yamamoto-noriten.co.jp)