おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.119 「穂発芽(ほはつが)」
しばらくお休みをいただいておりましたが、今週から再開です。今週のクイズは「穂発芽」(ほはつが)についてです。
今年のお米の出来具合は、全国的に見て豊作です。いっぽうで秋の長雨の影響により刈り取り時期が遅れてしまったと、いう箇所がいくつか見られました。稲には「刈り取り適期」というものがあります。これは「このタイミングで刈り取ればちょうどいい」というものですが、雨が続くとコンバインを田んぼに入れることができないため(田んぼがぬかるんでいるため)刈り取りが出来ません。
そうこうしているうちに適期を逃し、やがて田んぼの稲の穂から芽が出てくる場合があります。これを「穂発芽」と言います。さてこの「穂発芽」について問題です。「穂発芽」について正しく述べているものを次のア~エから選び、記号で答えてください。
ア.「穂発芽」が起こった稲は非常に縁起がいいとされて、脱穀されず稲穂のまま高値で取引される。
イ.「穂発芽」が起こった稲はでんぷんのアミロペクチンの量が増えるため、餅菓子用に使われる。
ウ.「穂発芽」が起こった稲はでんぷんが分解されて発芽に回るため味が落ちる。
エ.「穂発芽」が起こった稲は食用に向かないため、翌年の育苗に使用される。
おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.119 解答】
正解はウの「「穂発芽」が起こった稲はでんぷんが分解されて発芽に回るため味が落ちる。」です。
今年のような長雨であったり、稲が収穫前に倒れて地面についたりすると、稲穂から芽が出てきます。この穂発芽が発生すると、米粒内の酵素が活性化し胚乳に蓄積されているデンプンを分解して生長エネルギーなどに消費するため、粒重が減少し変質を起こして品質が低下します。「穂発芽」が起こりやすい品種は、種としての休眠期間の長短にも関係しますが、いずれにしても生産者にとってはせっかく秋まで順調でも最後の収穫でこのようなトラブルがありえるので、稲作は最後まで気を抜くことができません。