日本コメ比べ:滋賀県「仰木の棚田米」
仰木は滋賀県大津市の地区のひとつで、琵琶湖(日本最大の湖で世界的にも珍しい古代湖)と比叡山(世界文化遺産にも登録されている日本仏教揺籃の地)という地理的にも文化的にも重要な日本のシンボルを東西に臨む丘陵地帯に位置しています。
斜面に沿って段差を形成する段丘という地形を活かして拓かれた仰木の棚田は、1000年以上のときを経て、その特徴的かつ美しい姿を今に残しています。
比叡山から湧き出でる清らかな水、琵琶湖越しに遮るものなく注がれる朝日、高地という立地がもたらす悪水からの隔絶と豊かな寒暖差という条件が、仰木の棚田米を、平地の米よりはやや小ぶりではあるものの、うまみが凝縮された絶品へと育て上げます。
今回のお米は上坂達雄(コウサカタツオ)氏の棚田から。おにぎり協会として、滋賀県の大津市役所へ伺った際、市の方から教えていただいたお米です。仰木の棚田の中でも特に高地に位置しており、700年も前から比叡山の一番水で米が作られてきました。地力の8割程度に作付けを抑えることで米の質を高く維持しているといいます。
炊き上がりはふっくらモッチリ、ツヤのあるごはん。握ってすぐに食べてみると、モチモチして甘味もあり、コシヒカリ特有の粘り気も強めです。
4時間後、冷めてからも食べてみましたが、モチモチ感も変わらず、咀嚼回数が増えるため、腹持ちもいいのではないかと思いました。
こだわりの棚田米で、仰木の魅力的な景色に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
※おにぎり評価
冷旨度:★★★★☆
甘み:★★★★☆
にぎりやすさ:★★★☆☆
包容力:★★★★☆
(※おにぎり評価とは、おにぎり協会がおにぎりを実際に握った際に感じた評価です)