おにぎりに一番合うお米は? 新米の食べ比べに挑戦!
「ゆめぴりか」「つや姫」など、ブランド米を選んで食べる世代も増えており、世は空前の「ブランド米」ブーム。
さらに、いまは新米の季節ということで、パナソニック主催の新米マイスターチャレンジにお邪魔してきました。
講師に5つ星お米マイスターの澁谷梨絵さんを迎え、参加者は利き飯に挑戦。
澁谷さんによると、日本におけるお米の種類は増加傾向で、現在、その数なんと約490種(実際に作付けしているのは270品種)。
これだけ数があれば、こだわりも生まれてくるのは当然でしょう。
お米の品種は約490品種(日本国内)
今回は基準米+4種の新米5銘柄の違いを「利き飯」しました。ポイントは5つ。
1.外観=見た目の見比べ
2.香り=ご飯の真ん中を割って、香りの善し悪しを比べる
3.味=ご飯を一口入れて、味の善し悪しを比べる
4.粘り=ご飯を噛んで、粘りが強いか弱いかを比べる
5.硬さ=ご飯を噛んで、堅いか柔らかいかを比べる
これは「食味ランキング」の評価方法として採用されている「食味官能試験」の手順を参考にしているということです。
基準米を食べながら、それと比べてそれぞれのお米が基準より強いか弱いかをチェック。
基準米と比べてあっさりさっぱりしているものもあれば、もっちりしているものも。香りが強かったり弱かったり。
同じお米でもこうまで違うのかと、食べ比べるとはっきりわかりました。
中央が基準米。黄、青、緑、赤の5種類を味比べ
正解はこちら。基準米は新潟県産「こしひかり」、緑は秋田県産「あきたこまち」、赤は宮城県産「こしひかり」、
黄が茨城県産「ひとめぼれ」、青が山形県産「ミルキークイーン」。
基本的に、こしひかりはもっちり系であきたこまちがさっぱり系。
こしひかりは粘りが強くおにぎりや卵かけご飯などお米を楽しむのに向いているほか、岩のりなど少し濃い料理にも向いている万能派。
一方のあきたこまちはこしひかりより小粒で、粘りがない。蒸し魚や焼き鮭などが向いています。
ひとめぼれは、やや軟らかく口当たりはさっぱり。濃い味に向いています。
ミルキークイーンはモチモチした食感がおにぎりによくあいます。こちらもおにぎりにするにはぴったり。
澁谷さんのおすすめは、この5種類のほかに熊本の「森のくまさん」と長崎県産の「にこまる」。
森のくまさんは、こしひかりとひのひかりの中間で食べやすい。「にこまる」は、食味ランキングでも特Aを連続受賞する高評価だとか。
僕も、一般社団法人おにぎり協会としていろいろなお米を食べているつもりですが、その中で最近美味しかったのは岐阜の「銀の朏(みかづき)」。コシヒカリの新品種で粒がコシヒカリの1.5倍。見た目にも驚きがあって楽しいです。
イベントの最後は、炊いたお米にぴったりの「ご飯の友」で味比べ。
ご飯の前に居並ぶ「ご飯の友」たち
ご飯の上にのっけてみた「ご飯の友」たち
僕のお米の好みは「こしひかり」「ミルキークィーン」。そこで鮭のほぐし身をチョイス。
講師の澁谷さんによるとブレンド米でも標準の設定でかなり美味しく炊けるとのこと。
ブレンド米というと、悪いイメージだが実は違います。お米屋さんに相談して例えば「おにぎりにあうお米」や「肉にあうお米」などリクエストをするとそれに合ったお米を教えてくれたり、ブレンドしてくれることもあるということです。
そういう意味でお米屋さんというのは、バーにおけるバーテンダーと同じと言えそう。
バーでは好みの味やお酒を伝えれば、最適なカクテルをだしてくれる。
それと同じように、お米屋さんがアレンジしてくれるお米を食べてみる。そのことが、食の楽しみにもつながると言えます。
(一般社団法人 おにぎり協会 代表 中村祐介)