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2025.09.13

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.551「お米の増産」

新米の時期になりましたが相変わらずお米の値段が高い状況が続いてます。政府の見通しではお米の需要が増えているいっぽう、供給も今年の秋は「増産」に振られています。「増産」ということは今までよりも広い面積でお米を栽培するのですが、いきなり田んぼを開墾するのではなく、今まで別の作物を栽培していた畑を田んぼに切り替えるのが一般的です。

 

 

そういった場所はもともとは田んぼで、かねてからの政府の生産調整により稲ではなく大豆やソバなどを栽培していたのですが…。

さてここで問題です。前年まで大豆を植えていた土地を田んぼにして稲作をした場合、どのようなことが起こるでしょうか?当てはまるものを次のア~エから選び、記号で答えて下さい。

ア.農薬をあまり使わずに済む。

イ.肥料をあまり使わずに済む。

ウ.お米の品質が極端に悪くなる。

エ.田んぼに水を張らなくて済むようになる。

 

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.551解答】

正解はイの「肥料をあまり使わずに済む。」でした。

大豆の残渣(茎や根)が土中で分解されることで、稲の生育に必要な窒素が増加します。その状態で通常のように肥料をふると窒素過多になってしまい、例えば稲が過剰に生育し、倒伏しやすくなることがあります。

そのため大豆の残渣の分解を考慮し、基肥窒素量を減らす(大豆作1年目は半量、2年目以降は慣行など、年数による調整)ことが有効です。

また倒伏しないための通常の稲作よりも様々な工夫が求められます例えば水深を普段より深く保ち茎の太さや株の広がりを促したり、少し早めに溝切りを行い強めに中干しをすることで、稲の生育を調整したりするのです。

このようにもともと水田だった場所を田んぼに戻すだけであれば増産は可能ですが、それであっても水量が増やせない、機械や人手が足りない、種籾が足りないなど、様々な課題があります。

また生産者の高齢化によりそもそも農業を辞める人も増えていますので、そういった面からも増産が一朝一夕にはできないのです。

 

 

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