おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.556「秋起こし」
いま、各地で稲刈りが進んでいますが、この時期になると稲刈り後の何もない田んぼが広がっており、やや寂しい光景になっております。
この風景を見ると季節は確実に秋から冬に移ろいつつあるのだな、と感じるのですが…。

稲刈り後の田んぼには様々な顔があります。
稲刈りしたあと、来年の春の田植えの時期まで株を残したままのところもありますし、田んぼにトラクターを入れて土を耕す「秋起こし」と呼ばれる作業を行っているところもあります。
さてここで問題です。後者にあるような「秋起こし」をわざわざ行う理由に当てはまるものを次のア~エから選び、記号で答えて下さい。
ア.収穫時に落ちた籾を集めるため。
イ.カメムシを駆除するため。
ウ.稲わらを腐熟させるため。
エ.イノシシやシカを田んぼに呼び寄せるため。
おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.556解答】
正解はウの「稲わらを腐熟させるため。」でした。
稲刈り後に田んぼに残っている稲わらを土に混ぜ込み腐熟を進めることで、土壌が豊かになり地力が高まります。土壌微生物の活動が活発な地温が高いうちに早めに行うことにより、より早く腐熟が進み効果的です。なおこの秋作業のあと田んぼがある程度乾かないと腐熟が進まないため、生産者は冬~春の気候にも気を揉むことがあるのです。
秋起こしのその他の利点としては、田植え後のメタンガス発生の軽減(田んぼに水を張る前にしっかりと稲わらを腐熟させることによりガスが減ります)や獣害対策が挙げられます。
獣害対策とは、稲刈り後に稲の株から再び生えてくる「ひこばえ(二番穂)」を抑えることです。シカやイノシシなどの野生動物がひこばえを狙って田んぼにやってくると、田んぼを餌場として学習してしまい、収穫前の田んぼが荒らされてしまうのです。そういった野生動物の習慣づけを抑えるために、秋起こしは重要な作業になるのですね。






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