知る
2015.01.12

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.30

お米を知ろう30

さて、今回のお米クイズですが…。今回は、「業界編」です。
「業界」と言いましても今回のクイズの内容は一般的によく新聞に出る話ですが…。
毎年、お米が収穫された後に、農水省から「作況指数」なるものが発表されます。
これは10アール当たりの収穫量が、平年の数値と比べてどの程度になっているのか、数字で表したものです。

計算式は【10a当たり収量/10a当たり平均収量×100】というものです。

 

評価の目安は次の通りです。
良:作況指数106以上
やや良:同102~105
平年並み:同99~101
やや不良:同95~98
不良:同94~91
著しい不良:同90以下

 

ここのところは比較的数値がよく、各年で100を超えている年が多くあります。
それは、冷害に強い品種の開発や、生産者さんの研究が進んでいることが要因です。
それでも自然相手の産業ですから、不作の年はあります。
近年で記憶に新しいのは「平成の大凶作」と言われた、1993年があります。

 

さてここで問題です。

この年の作況指数はどの程度だったでしょうか?
次のア~エから選び、記号で答えなさい。

 

ア.90
イ.74
ウ.53
エ.25

 

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.30解答】

正解は…イの「74」でした。

 

東北地方を中心におこった冷害によりお米の収量が極端に低くなったためお米が足りなくなり、急きょ外国からお米(タイ米等)を輸入したほどでした。当時、タイ米の評判はあまり良くなかったため、日本のお米の値段が急騰し、また日本のお米を買うためにお米屋さんに行列が出来たほどでした。この年を境に、冷害に弱かったササニシキを栽培する人が減り、代わりにひとめぼれの収穫量が上がってきたのです。

 

作況指数自体は、最近は100を超えている年ばかりですが、実際にお米を仕入れている立場からすると、言うほど現場では収穫できていないという話を聞きます。一つには「網目」の大きさの違いです。お米は農産物ですから、すべての米粒が食卓にのぼるわけではなく、出来の悪い粒は食卓に上らないような仕組みになっています。生産者さんレベルで収穫したお米を網でふるいにかけ、粒の大きさを揃えます。最近では1.85ミリや1.9ミリの網目でふるった米粒しか出していないという生産者もいますが、いっぽうでこの「作況指数」の調査の場合は、1.7ミリの網目を使用しています。仮にいくら作況指数が良くても1.9ミリの網でふるったらあまり網に残らなかった、となると、実は生産者さんが出荷するお米の量は減ってきてしまうわけです。

 

このように発表数字のみを鵜呑みにするわけにはいきませんが、しかし大体の傾向はつかめると判断してもいいでしょう。

 

出題者:小池精米店・三代目、お米マイスター五ツ星の小池理雄

この記事を気に入ったらシェアしよう!