おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.38
さて今回のクイズは…お米の輸出についてです。
皆さんご存知の通り、日本はお米の自給率は100%を超えています。
しかし、世界的な農業協定により、日本は「ミニマムアクセス」という最低限の輸入を求められているのです。
いっぽう国内では近年、消費量の減退によりお米が余っています。
そんな状況においてもお米を輸入しているとは…という矛盾はさておき、
「そんなに余っているのであれば輸出すれば?」となるのも自然の流れです。
日本のお米は非常に美味しく、世界で十分通用すると言われています。
最近では台湾や中国などで日本のお米が高値で販売されているとも聞きます。
さて、このお米の輸出ですが、歴史の紐を解いてみると意外な事実が分かります。
そこで問題です。
お米の輸出について正しく述べているものを次のア~エから選び、記号で答えて下さい。
ア.お米の輸出は食糧管理制度が廃止された1994年以降に初めて行われた。
イ.明治時代にはすでにヨーロッパ向けにお米が輸出されていた。
ウ.太平洋戦争中でも外貨獲得のため、さかんにお米を輸出していた。
エ.1960年代からお米の輸出が始まったが、当時は長粒種がもてはやされていた。
おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.38解答】
正解はイの「明治時代にはすでにヨーロッパ向けにお米が輸出されていた。」でした。
大豆生田稔氏の著書「お米と食の近代史」(吉川弘文館)によると、
「政府は1870年代から80年代末にかけて、国内で直接買い上げた総計三百数十万石の米を海外へ輸出した。…政府が米の輸出を行う目的は当初は…米価の下落を抑制することであったが、80年代からは正貨を獲得することへと推移していった」とあります。
当時は豊作続きで、お米が余っていました。
当時の米価はロンドン市場のそれと比較しても安かったため、採算がとれたのです。
海外のお米が輸入されると「安いお米が日本市場を席巻し、日本のお米が売れなくなるのでは」という点がフォーカスされますが、いっぽうで「日本の美味しいお米、質の高いお米を積極的に輸出するチャンスがある」という点も見逃せません。
日本のお米は100年以上も前から国際的に取引されていたことを思うと、現代でも色々な障壁がありますが、やりようによってはもっともっと海外に進出できるのではと思いますね。