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2020.10.09

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.309 「玄米の異常」

今年の夏のような酷暑はここ数年の夏の特徴であり、もはや異常気象とは言い難い事態になっています。日本で最も作付面積が広い品種であるコシヒカリ。あまりに暑い環境のなかで栽培していると籾に「異常」をきたします。最近では収穫後にその「異常」な米粒を除去することによりどうにか品質を保つようにしているのが現状です。
さてここで問題です。上記にある「異常」とはどのような状態を指すのでしょうか?次のア~エから選び記号で答えて下さい。

ア.玄米が白くなる。
イ.玄米が肥大する。
ウ.玄米の粘りが強くなる。
エ.玄米に黒い斑点が出来る。

 

おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.309解答】

正解はアの「玄米が白くなる。」でした。
このお米を「白未熟粒」といいます。暑さのため籾に充分栄養が行き渡らず、結果として米粒にでんぷんがギュッと詰まらずに「すかすか」な状態になっています。こういった高温障害は他に「胴割れ」といって米粒にひびが入ることもあります。こうなってしまうと米粒が精米機の圧力に耐えられなくなり割れてしまいます。

稲はもともと熱帯地方の植物であり暑さには強いはずですが、日本で世代交代を繰り返してきた稲は既に日本の気候に順応したお米と言えます。このような酷暑はここ数年のため、日本育ちの品種にも関わらず日本の暑さに耐えきれない、という悲しい状態がおきているのです。コシヒカリだけではないですが、暑さに弱い品種は今後、作付計画を見直さざるを得ない局面にまでなっているのです。

 

出題者:小池精米店・三代目、お米マイスター五ツ星の小池理雄

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