ローソンがブランド米単一使用の「おにぎり」を順次発売
ローソン新おにぎりシリーズ「日本おこめぐり」第一弾は北海道の「ふっくりんこ」
ローソンは7月5日から日本各地で生産されているブランド米を単一で使用したおにぎりを「日本おこめぐり」として2ヶ月ごとに順次、全国のローソン店舗(1万3,992店舗:2022年5月末時点、「ローソンストア100」を除く)で発売する。
第一弾は北海道の「ふっくりんこ」を使ったおにぎりで、「ふっりんこ 塩にぎり」(税込108円)と「ふっくりんこ 焼鮭ほぐし大葉味噌(北海道産秋鮭使用)」(税込160円)の2品。
「ふっくりんこ 塩にぎり」はふっくりんこの特長であるふっくらとした食感をストレートに味わえる海苔を巻かない塩にぎり。「ふっくりんこ 焼鮭ほぐし大葉味噌(北海道産秋鮭使用)」は、ふっくりんこの産地である北海道産の秋鮭を焼いた後にほぐし、唐辛子がアクセントの大葉味噌を合わせている。
第二弾は山形県の「雪若丸」で9月6日(火)から発売開始予定。雪若丸の特長である大粒の食感を味わえる「雪若丸 塩にぎり」(税込108円)と、仙台牛のひき肉を仙台味噌や生姜などで甘辛く味付けした「雪若丸 牛肉味噌(仙台牛・仙台味噌使用)」(税込160円)。
単一ブランド米使用のおにぎりのスケジュールとして、第三弾は2022年11月から石川県の「ひゃくまん縠」、第四弾は2023年1月から富山県の「富富富」、第五弾は2023年3月から福井県の「いちほまれ」、第六弾は2023年5月から北海道「ゆめぴりか」を予定している。
おにぎりに使うお米を地域のブランド米にし、お米の認知・消費拡大に貢献する
日本では主食(ごはん)用として作られているお米は数百種類を超えるブランド米があるが、産地内での消費が中心となっており、他の地域では知名度の低さが課題だった。
ローソンの竹増貞信代表取締役社長は「おにぎりといえば、コンビニの代名詞といってもいい存在。その中でもローソンといえば、おにぎり。日本全国にあるローソンで地域のブランド米をおにぎりで扱うことにより、全国の人たちにブランド米の認知度向上、そして味わっていただいたあとに地域のお米を買ってもらえるお米の消費拡大、お米の需要喚起で食料自給率への貢献を目指したい」と話す。
7月4日に行われた発表会では、5ツ星お米マイスターの澁谷梨絵氏による各ブランド米の解説のほか、6種のブランド米それぞれの生産者が出席し、トークセッションも行われた。
生産者の一人、福井県「いちほまれ」生産の中瀬忠氏は「おにぎりという食べ方が一番お米の味がわかる」と今回の取り組みに期待を寄せる。
ローソン「おにぎり屋」の20年のこだわりで、単一ブランド米炊飯の難しさを解決する
ローソン商品本部エグゼクティブスペシャリストの伊藤一人理事執行役員は、単一ブランド米炊飯の難しさは「調達」と「炊飯」の2つがあると話す。「調達では全国発売に向け、高品質なブランド米の必要な量の確保、そして炊飯では銘柄ごと、製造工場ごとに炊飯マニュアルの調整が必要で、これができるのはおにぎり屋を続けてきたローソンならでは」(伊藤氏)。
ローソンは1975年に1号店をオープンし、2002年におにぎり屋ブランドをスタート。伊藤氏はこの初代おにぎり屋の担当として、これまでおにぎりにこだわり続けてきたという。「当時、コンビニ業界初の新潟県コシヒカリを用いた単一銘柄米おにぎりを全国発売しました。今回の単一銘柄のブランド米を複数、おにぎりで定期的に提供するのも業界初。おにぎり屋当初からお米にこだわり続けてきたローソンだからできたという自負があります」と話す。今回の取り組みには2年前から地域や生産者と話し合い、準備をしてきたという。今年、2022年おにぎり屋は20周年となる。
取材・文/中村祐介(一般社団法人おにぎり協会代表理事)