おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!】Vol.445「地球温暖化と稲作」
地球温暖化は、稲作においては特に夏の酷暑の場面で非常に影響のある出来事ですが、その温暖化につながる「温室効果ガス」を水田が排出しているという面もあります。具体的には「メタン」という二酸化炭素の25倍も温室効果があると言われている気体が水田から発生するのです。その量は日本国内の人間活動の45%に当たると言われています。
そこで稲作におけるメタン排出を抑制する手段として、ある手法が採られているのですが…。さてここで問題です。この手法にあたるものを次のア~エから選び、記号で答えて下さい。
ア.ドローンによる肥料散布をやめる。
イ.田植えをやめて種もみを直接田んぼに蒔く。
ウ.田んぼの水を抜く「中干し」の期間を延ばす。
エ.稲刈りをコンバインではなくトラクターで実施する。
おにぎり協会クイズ【お米を知ろう!Vol.445解答】
正解は「田んぼの水を抜く「中干し」の期間を延ばす。」です。
稲は土中や水中の酸素を使って成長するため、徐々に田んぼから酸素が無くなってきます。そうなると嫌気性のメタン生成菌の活動が活発化し、稲の茎を通してメタンを外気に排出するようになるのです。中干し自体はもともとは稲の分げつを抑制(例えば果物で言えば間引きに近い発想)するために実施されるのですが、同時に地中のガスを抜き、根腐れを防ぐ目的もありました。この期間をさらに延ばせば土中に酸素が十分にいきわたるので、その後で水を入れてもメタン生成菌の活動は抑えられるということです。この中干の期間を1週間延ばすことにより3割ほどメタンガスを減らすことができるそうです。稲作に限らず人間の活動に伴い温室効果ガスが出るのは仕方のないことですが、それを可能な限り減らす活動が今後は求められてきています。