知る
2020.06.08

日本酒を造るための酒米とは?

仕事終わりやお休みの日などに日本酒を嗜む方も多いかと思いますが、日本酒の原料は、私たちに馴染み深い“お米”であることをご存知ですか? しかし、お米といっても普段私たちが食べている食用とは少し違う「酒米」もしくは「酒造好適米」と呼ばれる酒造りのために開発されたお米を使用しています。今回はそんな酒米について見てみましょう。

酒米において重要なポイントは大きく分けて3つあります。一つ目は、「粒が大きいこと」です。日本酒造りは私たちが食べているお米と同じく精米から始まりますが、種類や銘柄によって、削る度合いが変わります。その中でも、精米歩合50%以下のお酒であれば、お米を半分以上削る必要があるので、粒が小さいと砕けてしまいます。そのことから、お米の粒の大きさが重要とされています。

二つ目は、「心白の割合」です。心白とは、お米の中心にある白く濁ったデンプンの塊のことで、この心白が多いほど酒造りに良いとされています。お米の表面は、タンパク質を多く含んでいることから、お米を食べる時には旨味になるのですが、酒造りになるとタンパク質が雑味の原因になります。それ以外にも、粘性が強いという性質があり、心白の割合が大きいお米は割れにくいため、酒造りにおいて心白の割合が重要になります。

三つ目は、「酒造適性」です。酒造適性とは簡単に説明すると酒造のしやすさのことです。日本酒の造る過程に「製麹(せいぎく)」という工程があります。製麹とは蒸したお米に麹菌を繁殖させ、麹を造る作業のことで、お米ごとに麹菌の繁殖具合が変わってきます。このように、麹の造りやすさや、お米のむしやすさなどが日本酒に造りにおいて重要のため、酒造適性に優れていることが重要とされています。

このように、お米は食用と酒米で重視されるポイントが全く異なります。食べるだけではなく、飲み物としても使われるお米は日本になくてはならない食材ですね。

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