戦国の世、勝負のカギは「おにぎり」にあり!
平安時代に「屯食(とんじき)」と呼ばれ、祭りやハレの行事でしか食べられていなかったおにぎり。一気に広まったのは武士の世の中になった平安末期から鎌倉時代以降。おにぎりが兵糧として携帯食へと変化したためである。
当時のおにぎりは赤米や黒米の玄米の握り飯が主流で、干し味噌か塩をつけて食べていた。戦国時代に入っても、米はまだまだ貴重な存在。普段は粥しか食べられない農民たちが、おにぎり目当てに志願兵として集まってきたそう。戦場では「塩かます」と呼ばれる塩が入ったおにぎり専用箱に入れ、武士にとって貴重な塩分とエネルギーの供給源となっていた。
関ヶ原合戦時代をまとめた「おあむ物語」には“朝に菜飯を炊いて昼飯に持って行く”といった記述があり、現代でいう混ぜご飯タイプのおにぎりが存在した。
参考文献/『おにぎり』(川越晃子著)『近代文化研究叢書』(小田きく子著)