【コメコトバ】必要なものは必要な分だけ
お米や飯、食に関する言葉を紹介するシリーズ「コメコトバ」。
今回は「必要なものは必要な分だけ」という意味の言葉について紹介します!
「千石万石も米五号」。千石や万石を俸禄している身分でも、一日に食べる米は五合、つまり一般人と変わらないという意味で、「人は必要な物は必要な分だけあればいい」という例えのことわざです。
「加賀百万石」などで一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、「石」というのは戦国~江戸時代の「石高制(こくだかせい)」における単位のこと。それぞれの身分が持つ土地を、全て米の生産力に換算・表示した経済指標のことで、端的にいうと現在でいう「収入」のことを指します。
つまり、千石や万石というのはものすごいお金持ちのことで、いわば「セレブ」のような存在。そんなセレブでも同じ人間ですから、一日に食べるお米の量は変わらない。そこから、「人は必要な物は必要な分だけあればいい」という例えが生まれたんですね。類似のことわざには「千畳敷に寝ても一畳」という言葉もありますよ。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大によって混乱が続く中、問題視されているのが「買い占め」。未曾有の疫病で何をどうすれば良いかわからず、「とりあえず多めに備蓄して安心」という気持ちはわかります。ですが、その陰には「必要だけど買えなかった」という人が少なからずいることを考えてみてほしいのです。
“必要以上”を今だけは控え、必要な分だけ買う。いまこそ日本人が持つ“思いやり”を遺憾なく発揮する時ではないでしょうか。
こちらの記事でも紹介しているように、お米も十分にあります!
大変な時こそ「気配り・目配り・心配り」を忘れず、協力しあう社会の姿が求められているのかもしれません。