ローソンの「日本おこめぐり」第5弾は福井県産米「いちほまれ」 開発者のこだわりを聞く
日本のブランド米のおいしさを味わってもらいたいと、ローソンが行っている「日本おこめぐり」。各地の単一ブランド米のみを使用したおにぎりを「日本おこめぐり」シリーズとして販売するという企画で、5月16日からは第5弾として福井県産米「いちほまれ」がピックアップされています。
おいしいお米を食べてもらいたいと企画 どんどん認知も高まっていると実感している
今回販売されたのは「福井県産米いちほまれ使用 柚子胡椒香る焼鮭ほぐしと切昆布(税込181円)」、「福井県産米いちほまれ使用 塩にぎり(税込113円)」、そしておにぎりと焼さけやきんぴらごぼうなどのおかずがセットになった「福井県産米いちほまれ使用 塩にぎりセット(税込343円)」の3種です。どれもお米の味わいを楽しめるように、と海苔を使用していないのも特徴です。
「昨年(2022年)の7月に第1弾として北海道の「ふっくりんこ」からスタートして、だんだん認知も高まっているんじゃないかなと思っています」と話すのはローソン商品本部デイリー・厨房部のシニアマーチャンダイザーの内田恵美氏。さらにその売れ行きにも当初は想定していなかった動きがあったといいます。
「具ありおにぎりは、中具材の種類により実績は異なります。肉系の具材の時は男性が、魚系の具材の時は女性が選ばれることが多いようです。その中で塩にぎりはだんだん伸びてきたんです」
実際に回を追うごとに塩にぎりの実績は伸びており、第4弾富山県産米「富富富」が塩にぎりの販売数NO1を記録したそうです。
「今までのおにぎりは出来上がったものに塩をふりかけていましたが、粒立ちもよくなるので塩水で炊くようになりました。ですが、塩分値は変わらないので、味が濃くなったということはありません」と話す内田氏。
全国で同品質の商品を製造することの難しさ
さらにこの後は第6弾として7月に北海道産米「ゆめぴりか」が登場予定です。ブランド米としては全国で高い認知を持っているゆめぴりかですが、商品化の実現にはとにかく苦労があったということです。
「ゆめぴりかの特徴と言えば、やはりあのもちもちとした食感ですよね。でもそこまで特徴的に出そうとすると、炊飯段階で焦げてしまったり、おにぎりの型に入れた時にもちもちしすぎて型から抜けなかったりとたくさんの課題がありました」と内田氏。さらに、全国で同じ品質の商品を販売するコンビニだからこその課題もあったと言います。
「ゆめぴりかに限らずですが、全国のベンダーさんから共通の条件で炊飯したものを送ってもらって、検証を繰り返し行い、食感や粒立ちなど細かく確認し、同じものが製造できるように調整します。第6弾のゆめぴりかも、7月の発売に向けて、最終調整の段階を迎えています。」
もともとローソンのおにぎりは具材の豊富さやこだわりが消費者に広く支持されていましたが、最近では「お米がおいしい」という声も寄せられるようになってきたそうです。シリーズのリニューアルをこの春果たした「金しゃりおにぎり」もその代表と言えるでしょう。ローソンが目指すお米がおいしいおにぎり。お米の違いを楽しめる「日本おこめぐり」シリーズがその勢いを加速させています。
取材・文/中村祐介(一般社団法人おにぎり協会)